濱川学院10周年記念「大学受験戦略会議2026」と「KAGAWA TANKYU FES.2026」が高松で同時開催。

教育・学習支援業

 令和8年3月14日、高松市常磐町のコワーキングスペース「BRIC(ブリック)」で、濱川学院10周年を記念した「大学受験戦略会議2026」と「第4回 KAGAWA TANKYU FES.2026」が同時開催されました。
 会場には、新高校3年生や受験を終えた卒業生、小学生から高校生までの子どもたち、教育関係者らが集い、大学受験や探究学習を通して、これからの時代に求められる学びについて考える一日となりました。

「大学に行くのが当たり前」を問う

 今回のイベントで印象的だったのは、「なぜ大学へ行くのか」という根本的な問いを、高校生自身が自分の言葉で考えていたことです。濱川学院を創設し、今年で10周年を迎える濱川武明学院長は、大学進学率が上がり続ける今だからこそ、「進学すること自体を目的にしない視点が必要」だと語ります。進学が“当たり前”になった時代に、その当たり前を一度立ち止まって見直すこと。それが、このイベントの出発点でした。

当日は「疑・知・創」の3つのテーマで議論が進められました。最初の「疑」では、高校生たちが「香川を出て自立したい」「新しい人間関係を築きたい」「失敗できる最後の安全地帯かもしれない」といった率直な思いを共有。さらに生成AIの分析も交えながら、大学の価値が「知識を得る場」から「人と出会い、問いを立て、思考を深める場」へと変わりつつあることが示されました。
 進学をゴールではなく、自分の未来を考えるための選択肢として捉え直す。そこに、濱川学院らしい教育が感じられました。

受験は「能力を測るもの」ではなく「強みを活かすもの」

 続く「知」のテーマでは、多様化する大学入試の仕組みについて意見が交わされました。

 推薦入試、総合型選抜、一般入試――今の受験制度には複数のルートがあります。しかし、どの方式が自分に合っているのかを十分に知らないまま進路選択をしてしまう生徒も少なくありません。会場では、卒業生から「学校の方針に合わせてしまい、自分の強みを活かせる入試方式を知るのが遅かった」という実体験も語られました。

 この言葉は、参加した高校生たちにとって大きな示唆になったはずです。受験は単に学力だけを競うものではなく、自分の個性や強みをどの形で発揮できるかを見極める機会でもあります。

 一人ひとりに合った戦い方があることを、もっと早い段階で知ってほしい。そんな願いが、この議論の背景にはありました。

地方からでも、自分の可能性を広げられる学びへ

「創」のテーマでは、地方の受験生が都市部の大学を目指す際に直面する課題も共有されました。浮かび上がったのは、「学力差」以上に大きいのが「情報格差」だという現実です。大学の雰囲気や入試傾向、先輩とのつながりなど、都市部では得やすい情報が、地方では届きにくいことがあります。その一方で、地方には地方の強みもあります。通学時間が短いこと、学習に集中しやすい環境があること、地域とのつながりの中で自分らしさを育めること。さらに、生成AIを活用すれば、情報格差を埋める手段も広がっていきます。

第4回 KAGAWA TANKYU FES.2026

 また、同日開催された「第4回 KAGAWA TANKYU FES.2026」では、小学生から高校生までによる9組の探究活動発表が行われました。商店街各地でワークショップも展開される中、とりわけ注目を集めたのが、自らの探究テーマを発表し、審査員から直接フィードバックを受ける時間です。審査で重視されたのは、完成度の高さだけではなく、「なぜ自分がそれをやるのか」という動機の強さでした。

 香川県教育委員会教育長賞を受賞した松田さんと松本さんは、改善の余地がないと思わせるほどの圧倒的な行動力と完成度に加え、高校生らしいまっすぐな動機に基づいて行動を重ねてきた実践力が高く評価されました。さらに、その活動を通じて社会や地域の人々にポジティブな影響を与えている点も、称賛を集めました。
 さらに、香川探究アワードに選ばれた大開さんは、「料理と絵本」というユニークな組み合わせで会場の注目を集めました。その独自の視点や、実体験に裏打ちされた臨機応変な対応力が高く評価されました。審査の場では、周囲の雑音に惑わされることなく、自分だけの道を信じて進んでほしいという、力強いエールも送られました。


 自分の「好き」や関心を起点に行動する力の大切さが伝わる場となっていたことも、今回の同時開催を印象深いものにしていました。
 受験も探究も、その根底にあるのは「自分は何を大切にしたいのか」という問いです。濱川学院が10年間積み重ねてきたのは、ただ合格を目指す指導ではなく、子どもたちが自分の意思で未来を選び取るための土台づくりなのかもしれません。