令和7年12月14日(日)、香川県丸亀市に属する塩飽諸島・本島で、地域の未来を担う学生たちが島の活性化に挑む「学生 塩飽諸島 魅力活性化プロジェクト(本島編)」が開催されました。
香川大学起業部(Share Start)が主催したこのプロジェクトでは、地域の中高生と大学生が協力し、島の空き家を活用した独創的な事業プランを発表。若者ならではの柔軟な発想で、歴史ある島に新たな可能性を見出しました。
世代を超えた学生15名が結集した地域創生プロジェクト

今回のプロジェクトには、藤井中学校・高等学校、大手前丸亀高等学校の中高生10名と香川大学起業部の学生5名、大人3名の計18名が参加しました。目的は島を巡りながら学生たちが「島にどんな魅力があるか」「自分は何に取り組みたいか」を発見すること。大学生をリーダーとする5つの混合チームが編成され、実際の空き家を見学しながら具体的な活用方法を検討しました。
塩飽の歴史と現在の課題を学ぶフィールドワーク


参加者はまず、島で暮らすガイドの信原さんから本島の歴史について学びました。現在約240人が暮らす本島は、かつて塩飽水軍として知られた海賊の拠点であり、優れた船舶技術を持つ人々が活躍していました。江戸時代には海運業で繁栄し、戦前には全国500箇所もの寺社を建てた「塩飽大工」の技術で知られています。
続いて、塩飽大工顕彰会代表の三宅さんから、笠島地区の現状について詳しい説明がありました。笠島地区はエリア全体が国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、「住んでいる人々も文化財の一部」という特別な地域です。
しかし現実は厳しく、100件以上ある建物に対して実際の居住者は約20人程度。高齢者による草刈りやペンキ塗りなど、文化財としての景観維持には大変な労力が必要で、文化財としての制約も多く、移住促進には多くの課題があります。
「ワクワク」を重視した若い世代のアイデア

午後のワークショップでは、コスモ不動産の野津さんから「空き家は島だけでなく、身近なところでも増えている問題。大人は固定概念があるため、若い世代の自由な発想に期待している」との激励がありました。
各チームは空き家になった経緯を踏まえながら、「空き家を活用して何ができるか」を徹底的に議論。香川大学生がファシリテーターとなり、中高生の斬新なアイデアを具体的な事業プランへと形作っていきました。このプロジェクトで重視されたのは、収益性よりもまず「やってみたい」という情熱でした。
5チームが描いた本島の新たな未来図


最終プレゼンテーションでは、塩飽諸島の新たな可能性を示す、学生らしい創造性に満ちた提案が次々と発表されました。中高生が大学生のサポートを受けながら、島の歴史を学び、現実的な課題に向き合い、創造的な解決策を提案する一連のプロセスは、今後の地域活性化に向けた次世代を育む場となりました。
イベント終了後、参加した中高生からは「楽しい面だけでなく、空き家問題の深刻さも理解できた」「自分のアイデアを大学生が形にしてくれて嬉しかった」「意見を出すことの大切さを学んだ」「高校生や大学生の議論の現場に参加できて貴重な経験になった」といった感想が聞かれました。
香川大学生にとっても「中高生の予想外のアイデアに驚かされた」「地域課題だけでなく、世代間交流の機会にもなった」「ファシリテーションの難しさとやりがいを実感した」と、相互の学びが生まれる場となりました。
大人から次世代の学生へエール
コスモ不動産の野津さんは「若い世代の発想は『利益が出るかどうか』から始まらなくて良い。まずは『やってみたい』という気持ちが大切。海外では挑戦と失敗が当たり前だが、日本ではそれが難しい。こうした場から、どんどんチャレンジする若者が育ってほしい」と、イベント終了後に学生たちへエールを送りました。
このプロジェクトは、島の課題解決の糸口を探ると同時に、失敗を恐れずに挑戦する学生を後押しする重要な意義を持っています。若い世代が地域の未来を自ら考え、行動するこの試みは、今後の展開に注目が集まります。
ギャラリー






