2025年10月19日、香川県高松市にある株式会社ONDOにて、若手リーダーの育成・支援を目的とした助成プロジェクト「ONDO次世代リーダー応援ファンド」の、採択チームによる中間報告会「ここらで一回シェアする日」が開催されました。高校生・大学生らによる全6プロジェクトのチームが一同に集まり、これまでの成果だけでなく、実際に直面した課題やそこから得た学びなどを、学生たち自身の言葉で共有しました。
チーム発表と課題共有の意味

OGゼミチーム(タリーズで店員さんになろう!)
きこえない子どもたち向けに接客体験を実施。
→「社会は人でできている」という原点を再認識。聞こえない人にとっての障壁を実感し、活動の波及効果とリーダー像を重ね合わせて理解が深まりました。
ハピネス収穫部(ごちゃまぜアート大作戦!)
障がいのある若者たちと一緒にアート制作・身体表現を実施。
→ 集客には苦戦。チラシやSNSだけでは届かず、同日開催の他イベントとも重複。個人のつながりを通じた共感者づくりが有効と学び、今後の活動への自信にもつながりました。


かみんぐ(盆栽と言ったら高松だろ!)
高校生が高松盆栽に新たな視点を加え、若者向けの商品開発に挑戦中。
→ 成功には他者と共有する姿勢が不可欠。自分は「リーダーか?」という問いをきっかけに、リーダーシップを自分事として捉えることが大切だと気づきました。
せとうちで、はじめまして。(ヒーローキャンプ)
三豊市の廃校で小学生親子向けの防災キャンプを実施。
→ 参加者からは「楽しかった」と高評価。一方でチームとしての情報共有不足が課題。スケジュールに対する課題も残り、次回開催に向けて準備を進めていきたい。


チームまるはた(まるはたプロジェクト)
小学生向けに生産から消費までを学ぶ農業体験を実施。
→ 集客で学んだのは、「気持ちを伝える」ことの大切さ。チラシやメールだけでなく、直接の電話など“熱量が届く”方法が参加につながる。
架け橋 〜Connecting for Peace〜(輪が円に、縁から和に)
「アンネのバラ」の接ぎ木体験で小中学生の平和意識を育む。
→ 多人数運営では徹底した情報共有が重要。加えて、接ぎ木時の安全確保(例:声かけの徹底)など、具体的な運営手順を明確化することが重要。

共通する課題と現場で活きるヒント
多くのプロジェクトが、計画通りに参加者を集める難しさを報告しました。チラシやSNSによる告知を2か月前から実施しても、同日開催の他イベントとの競合や情報の届きにくさが課題となったと報告していました。こうした状況を踏まえ、形式的な告知だけでなく、電話や直接の対話、紹介など顔の見えるコミュニケーションを通じて「気持ちを伝える」ことが重要であるとの認識が共有されました。
一部のチームでは、代表者への負担集中や情報共有不足が深刻な問題として浮上していました。これに対し、共有の頻度と方法を明確化することが有効策として挙げられました。具体的には、定例ミーティングや議事メモ、タスクボード、当番制の導入が推奨されました。また、安全運営のため、声かけや役割分担、チェックリストなど、手順を具体化する取り組みも必要とされました。
「リーダーシップ」とは
リーダーシップの概念について、支援者側から学生に向けてのメッセージも送られました。
Leader=Lead(少し先に進む)+er(人)という語源に基づき、リーダーとは「強く引っ張る人」ではなく、“ちょっと先を歩いて方向を示す人”。活動の広がりには、記録→共有→波及のプロセスが不可欠であり、写真や動画、短い振り返りを残すことで、個人の挑戦が時間を超えて他者に影響を与え、社会に波紋のように広がる力を持つと説明されました。
今回の助成プロジェクトを通じて、挑戦することの大切さを学び、社会への波紋につながるような、力強いリーダーシップが生まれることが期待されます。
