
小豆島町で月に一度開催される「こどもマルシェ」をご存じでしょうか。主催は「一般社団法人こころざす」が運営するオルタナティブ・フリースクール「オリーブ学園」です。
最大の特徴は、こどもたちが「店長」として主役になること。大人はあくまでサポート役に徹し、企画から商品準備、営業、そして最後の利益計算までの全てをこどもたち自身が担います。普段の生活では味わえない非日常の場で、真剣に取り組むこどもたちの姿に、訪れる大人たちも感心します。
学校では学べない体験と学び

「こどもマルシェ」では、こどもたちが主体的に考え、行動します。最初は周囲に助けを求めていたこどもも、回を重ねるごとに自分で判断し、責任を持って動くようになります。
商品の並べ方や価格の設定もこどもたちの感性で決定されます。例えば、ぬいぐるみやおもちゃの景品を「自分が大事だと思うものほど価値が高い」と判断するなど、こども店長ならではの価値観が垣間見えます。こうした経験は、社会に出る前に自分の「好き」や「得意」を見つける大切な学びにもつながっています。
また、「こども店長」という役割が与えられることで、普段は甘えがちなこどもでも真剣に取り組み、自ら年下の子どもを気遣う姿も見られるようになります。お金のやり取りやお釣りの計算に挑戦する姿からは、学校の教室では得られない実践的な学びが得られます。
縁日やワークショップで広がる挑戦
8月に開催した「こどもマルシェ」では、こどもたちが企画した「縁日ブース」が特に人気を集めました。輪投げやスーパーボールすくいには大人も夢中になり、リピートで何度も挑戦する姿が見られました。利益計算を行うと、当初の予想を超える成果が上がり、こどもたちにとっても大きな達成感となりました。
さらに、ポケモンカード部による「オリジナルデッキケース作り」も好評でした。工作やラミネートなど工程が多く、店長役のこどもたちは大忙しでしたが、「自分で作ったものを大事に持ち帰る」という”体験を提供する”ことができたことは、苦労を伴うからこそ得られる学びとして、こどもたちの自信につながりました。

信じて託すことで生まれる成長

親子で取り組むと、どうしても甘えや反発が出てしまうことがありますが、オリーブ学園のスタッフが関わることで、こどもたちは「店長」としての自覚を持ち、自発的に動くようになります。親子関係だけでは難しい教育を第三者がサポートすることで、これまでにない成長の機会が生まれるのです。
「こどもマルシェ」で得られるのは、「自分はできる」という実感です。その積み重ねこそが、これからの学びや人生において大きな力となっていきます。
「こどもマルシェ」は、こどもたちに責任ある役割を任せ、社会に一歩踏み出す経験を提供しています。
もし「自分の子どもに新しい成長の機会を与えたい」とお考えであれば、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
きっと、こどもたちの真剣な姿と笑顔に、驚きと感動を覚えるはずです。
こどもマルシェの様子





