特定非営利活動法人 みんなの進路委員会

四国の未来を切り開く!「探究」型グローバル留学プログラムが開催

教育・学習支援業

 2025年8月11日・12日、NPO法人みんなの進路委員会が主催する【中高生対象】「グローバル×探究プログラム」が香川県高松市で開催されました。今回の大きな特徴は、学生自身が考えた留学プランを競い合う点です。最優秀賞には海外留学が贈られるということもあり、会場は大きな熱気に包まれました。
 今、日本の教育界で注目されているのが「探究型学習」です。自ら課題を見つけ、調べ、考え、発表するプロセスを通じて、主体的に学ぶ力を養う取り組み。今回のプログラムはまさにその実践の場であり、四国の中高生たちが未来に向けた一歩を踏み出しました。

留学への壁をどう乗り越えるか

 留学と聞くと、「語学力への不安」「金銭的な負担」「目的が見えない」といった理由で、自分には縁がないと感じる学生も少なくありません。そこで今回のプログラムでは、留学をより身近に、そして自分の将来と結びつけられるようにするために、中高生が自ら考えたプランが披露されました。
 「語学力を高めたい」「新しい価値観に触れたい」「地域の課題と世界をつなげたい」など、それぞれの発表には生徒たちの切実な思いや工夫が込められており、会場の審査員や聴衆を引き込みました。

個性あふれる留学プランの数々

ロサンゼルスで学ぶ多彩な体験(津田高校2年・川西さん、高松第一高校2年・小谷さん、英明高校2年・大内さん)

大学での学問、映画やゲーム産業、美術館、スポーツ観戦など、多様な学びを1週間に凝縮したプランを発表。語学だけにとどまらず、キャリアの可能性を広げることを目的としました。

ディズニーランドから学ぶキャリア教育(高松北中学校3年・田村さん)

カリフォルニアのディズニーランド・リゾートを舞台に、テーマパーク運営やデザイン、接客などを学ぶプラン。帰国後は地域課題解決のアイデアに発展させることを目指しました。

イギリスで青春を描く体験(大手前高松高校1年・伊藤さん)

午前は語学学習、午後は文化や演劇などを体験するプログラムを提案。プロカメラマンによる「青春写真撮影」を組み込み、SNS発信と自己表現を融合させたユニークな仕組みが注目されました。

シリコンバレーでITと自然を学ぶ(大手前高松高校1年・太田さん)

AppleやGoogleといった最先端企業の見学を通じて、ITの未来に触れる内容。英語落語など独自の工夫も盛り込み、学びを大学入試やキャリア形成に直結させる点が高く評価されました。

サンティアゴ巡礼で世界とつながる(丸亀高校1年・豊田さん)

スペインの巡礼路を歩きながら世界中の人々と交流し、言葉を超えた心のつながりを体験するプラン。四国遍路との比較を通じて地域文化を見直すという視点がユニークでした。

受賞結果と広がる可能性

発表後には、各チームの特徴に応じた賞が贈られました。

・チームワーク賞
・ストラテジックシンキング賞
・ネクストジェネレーションイノベーター賞
・ストーリーテリング&エンゲージメント賞
・ベストプリペア賞



 そして最優秀賞には「イギリスで青春を描く体験」を提案した伊藤さんが選ばれました。副賞として海外留学がプレゼントされると会場は歓声に包まれました。さらに、審査員の推薦により特別賞が新設され、豊田さんが受賞。予定外のサプライズに笑顔が広がりました。
 審査員からは「香川にこんなに意欲的な若者がいることをもっと多くの人に知ってほしい」「地域や大人の支援が彼らの成長を後押ししている」といった声が寄せられました。


 今回の「探究」型プログラムは、学生たちが留学を「自分ごと」として捉えるきっかけとなりました。それは語学力向上にとどまらず、仲間とともに未来を描き、自分の可能性を試す学びそのものです。

 香川から世界へと羽ばたく若者たちが増えていくことで、地域の未来もより豊かになるはずです。今回の取り組みは、その第一歩を示す貴重な機会となりました。