
空き家になった実家、手放す予定の家、長年使っていない納戸や倉庫。いざ片付けようとしたとき、「どこから手をつけていいのかわからない」「処分と買取をまとめて相談できる人がいない」と悩む方は少なくありません。
そうした“暮らしの整理”を必要とする声に応えたいという想いから、「片付け+α」のサービスを提供している家じまい 和(なごみ)(以下「和」)を経営されている石川さんご夫妻に、取材させていただきました。
これまで蜂の駆除や不用品の買い取り、清掃といった個別のニーズに対応してきた経験をもとに、片付けの延長線上にある心の整理まで寄り添う「家じまい」サポートを提供しています。
夫婦で支える、顔の見える暮らしのパートナー
「和」のサービスは、ご夫婦2人が中心となって丁寧に運営されています。夫は古物商としての経験を活かし、査定や買取・分別を担当。妻は清掃や片付け、空間整理を担当。お互いの得意を持ち寄って、暮らしに寄り添うサービスを形にしてきました。
家族のような距離感で、気負わず相談できるのも魅力です。「親にお願いしたい」「自分の大切な人にも紹介したい」──そんな声が届くのも、ご夫婦ならではの温かさが伝わっているからかもしれません。
一つひとつ、思い出と向き合いながら

片付けの現場に立ち会うと、そこには日用品や家財だけでなく、長年の思い出や人生の記憶が詰まっています。アルバムや手紙、古い家具や衣類──そのすべてに「誰かの暮らし」が宿っています。
だからこそ「和」では、依頼者としっかり話をしながら、時間をかけて仕分けを進めていきます。「これはどうしますか?」とその都度確認し、自分一人ではなかなか踏み切れない場面でも、そっと背中を押すような寄り添う存在でありたいと考えています。
仕分けと同時に、価値のあるものは適正に査定し買い取り、再利用できるものは資源として活用。古くても、まだ使える品を新たな持ち主に届ける橋渡しも行っています。
たとえば、着物や古道具などは、地域の職人やリメイク作家へつなぐことも。「捨てるには忍びない」と感じる物たちが、誰かの手で新しい命を吹き込まれる。そんな循環の形も、依頼者の安心につながっています。
整理されるのは、物だけではありません

片付けが終わったあと、多くの依頼者が口にするのは「気持ちが軽くなった」という言葉です。部屋が整うことで、心が整理され、次に進む気持ちが芽生える。そんな変化に立ち会えることが、このサービスの喜びでもあります。
物と向き合ううちに、自分の気持ちや家族との関係とも自然に向き合えるようになり、止まっていた感情や思考が、物を手放すことで動き出す。そんな心の変化に気づき、前に進むきっかけとなることも少なくありません。
「気づいたら自然と、未来の話をしていた」
「もう手放しても大丈夫と思えるようになった」
そんなふうに、片付けが単なる作業ではなく、大切な時間になるよう、丁寧に伴走しています。
「家じまい 和」は、無理に急かしたり、型にはめたりすることはありません。あなたのペースに寄り添いながら、心と物の整理をお手伝いします。