
香川県高松市・屋島山上を舞台に、若い世代が地域の魅力を発信するイベント「やしまつり」が今年も開催されます。仕掛け人は、香川県在住の高校2年生・後藤匠人さん(以下「たっくん」)。たっくんは、「瀬戸内振興事業所」を立ち上げ、イベントを通して香川の未来に貢献しようと奮闘しています。
若者の力で地域に活気を──「やしまつり」第2回開催へ
2025年7月20日、高松市屋島山上交流拠点施設「やしまーる」にて、第2回「やしまつり」が開催されます。今回は高松市の後援も得て、さらに注目が集まっています。
ステージイベントでは、香川県内で活躍する若者たちによる音楽やパフォーマンスが展開されます。TikTokで話題の高松中央高校 吹奏楽部をはじめ、小学生落語家、中学生ドラマー、高校生のお笑いコンビなど、多彩な顔ぶれが登場します。また、14台のキッチンカーも出店予定で、世代を問わず楽しめる一日になりそうです。
「出演者や出店者の方々にとって、“やしまつりに出た”こと自体がブランディングになるような存在を目指したい」とたっくんは語ります。
原点は新屋島水族館──命の大切さを伝えるために
たっくんが人前に立つようになったのは、2歳から通っていた新屋島水族館でした。イルカショーの出演や、接客などの手伝いを通じて、生き物と人が関わる場に魅力を感じてきたそうです。
やがて「もっと多くの人に命の大切さや生き物の魅力を伝えたい」と考えるようになり、水族館の外でもその思いを発信できる方法として、「移動水族館」や「キッズマルシェ」の主催に挑戦しました。これが活動の第一歩となり、2024年6月15日には「瀬戸内振興事業所」として正式に立ち上げました。

赤字でもやる価値がある──リアルなつながりを信じて

「お金に代えられない価値があることしかやりません」。たっくんはイベント開催において、収益よりも“意味”を重視しています。仲間とともに企画し、準備を重ね、当日は30人近くのボランティアが運営を支えます。
出演者や出店者は、これまで関わってきた「ご縁のあった人」を中心に声をかけています。
さらに、チラシはできる限り手渡しで配布しています。SNS発信も行いつつ、直接顔を合わせるリアルなつながりを大切にしているのもたっくんの信条です。
「やしまつり」は単なるイベントではなく、地域とのご縁や人と人との想いが形になった、つながりの場となっています。
香川をもっと面白く──これからの夢と展望
「屋島山上に恩返しがしたい」、小さな頃から親しんできた屋島山上でイベントを続けるのには、そんな思いがあります。
また、「自分ひとりではなく、香川県を一緒に盛り上げてくれる仲間が増えていけば嬉しい」と話すたっくん。現在は高校生のメンバーを中心に10名ほどのチームを組み、ミーティングを重ねながら事業を進めています。
「イベントをすること自体が目的ではありません。ご縁をつなぎ、香川をもっと面白くしたい。それが僕の想いです。」
地域と人を結び、未来をつくる──そんな想いを胸に、たっくんの挑戦はこれからも続いていきます。
