

香川県を拠点に活動する映画監督・梅木佳子さん(以下「梅木監督」)は、映画制作を始めてから、今年でちょうど10年を迎えました。これまでに手がけた作品は、国内のみならず海外の映画祭でも高く評価されています。
映画制作のきっかけとなったのは、さぬき映画祭の優秀企画に初めて書いたシナリオ「W&M」が選ばれたことでした。
選ばれた企画には監督も務めるという条件があり、戸惑いながらも「やるしかなかった」と当時の心境を振り返ります。その後、続けて『Lemon&Letter』も優秀企画に選ばれたことで、映画監督としての道が本格的に開かれていきました。梅木監督は「本当にすごくいいきっかけをいただきました」と語り、この経験を通じて、映画制作の基礎を学ぶと同時に、後の監督人生に深く関わっていく大切な人たちとの出会いにも恵まれていったのです。
社会を映す短編映画『虹色はちみつ』──現実に向き合い、命を見つめる

『虹色はちみつ』は、2018年に起こった虐待事件をきっかけに、梅木監督自身の「子どもを守る物語を描きたい」という強い思いから生まれた作品です。
制作は決して順風満帆ではありませんでしたが、コロナ禍という厳しい状況の中、全国の映画祭などで出会った仲間たちがボランティアとして力を貸してくれたことで、わずか5日間という短期間での撮影が実現しました。
また、主演を務めた辻千恵さん、そして子役の鈴木咲ちゃんをはじめ、多くの出演者・スタッフが、まさに“ご縁”のつながりによって、それぞれの出会いがまるで一本の糸のようにつながり、映画『虹色はちみつ』として結実したのです。
特に印象的だったのが、金刀比羅宮での撮影です。通常は許可が下りにくい境内での撮影が、奇跡的なタイミングと、地域の方々の理解と協力によって実現しました。偶然が重なり合い、まさに奇跡のような特別な制作体験となりました。
若い世代にこそ届けたい「命と向き合うきっかけ」

梅木監督が特にこの作品を届けたいと願うのは、将来”親”になる中高生や若い世代です。ニュースで目にする凄惨な事件に心を痛める梅木監督は、映画を通じて、命の重みや人とのつながりの大切さに目を向けてほしいと語ります。
「虐待の連鎖を断ち切る力になってほしい」「リアルな人との関わりが心を救うこともある」——。そんな思いが、『虹色はちみつ』には込められています。
一人でも多くの若者にこの作品が届くことを願っています。
映画は100年後にも残る文化──梅木監督のこれから

梅木監督は「映画は100年後にも残る文化」と語ります。
風景や時代、人の想いを未来に伝える手段として、今後も映画制作を続けていく予定です。
皆さんへ──
あなたのまわりに、助けを求めている小さな声はありませんか?
梅木監督の映画は、誰かの気づきとなり、誰かの一歩を後押しするきっかけになるかもしれません。
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あなたの目で、そして心で感じてください。
「虹色はちみつ」撮影風景


