
香川県高松市の「サイクランド ヤマネ」では、”子ども向けのレンタサイクルサービス”と、”親子じてんしゃ教室”を展開しています。成長に合わせた自転車の提供や、使われなくなった自転車の再活用を通じて、地域の課題解決とSDGsへの貢献を目指す取り組みを行っています。
成長に合わせた自転車選びを支える、子ども向けレンタサイクルサービス

きっかけは、代表・山根さんがふと目にした近所の光景でした。体格の大きな子どもが、明らかに小さな自転車に乗っている——。「子どもが適正サイズの自転車に乗れていない」。しかも、多くの保護者がその事実に気づいていないという現状を目の当たりにしました。
そうした課題意識から、「成長に合わせて、常に体に合ったサイズの自転車を提供できる仕組みをつくりたい」という思いで始まったのが、子ども向けレンタサイクルサービスです。年額8,000円(月額1,000円)で、メンテナンスも付帯しているため、安全で経済的に適正サイズの自転車に乗ることができます。
地域に根ざした自転車店だからこそ実現できる、身近で使いやすいサービス設計となっており、保護者からも高い支持を得ています。さらに、レンタルという特性から、「個人賠償責任保険特約」などの補償にも対応しやすく、万が一の事故にも備えられる点も安心材料のひとつになっています。
親子で学ぶ、はじめての”じてんしゃ教室”
もうひとつの大きな取り組みが、「親子じてんしゃ教室」の運営です。この教室では、子どもには自転車の「乗り方」を、保護者にはその「教え方」を丁寧に教えてくれます。 近年、小学校3〜4年生になっても自転車に乗れない子どもが増えており、その背景には「保護者が教え方がわからない」という現実があります。また、自転車の練習は早い段階で始めるほうが良いとされており、それは体幹を鍛えることによって、運動神経の発達にも良い影響を与えるためです。
そこでサイクランド ヤマネでは、親子が一緒に学びながら、楽しく自転車デビューを目指せる「親子じてんしゃ教室」を開催しています。
今後は、自動車学校での教室開催や地域・ライフステージに応じたレンタルサービスを展開し、将来的には交通安全教育との連携も目指しています。

循環型社会をめざして、「乗らなくなった自転車」を活かす方法

自転車は、子どもの成長によってサイズが合わなくなったり、ほとんど使われないまま処分されてしまうケースが少なくありません。そうした“もったいない”を活かすべく、サイクランド ヤマネでは不要自転車の引き取りや修理、再利用にも積極的に取り組んでいます。
丁寧に整備された中古自転車は、レンタルや販売用として再活用され、廃棄物の削減や環境負荷の軽減に貢献しています。こうした取り組みは、持続可能な社会の実現を目指すSDGsの理念にも通じるものです。
自転車業界が抱える低収益構造や後継者不足といった課題に対して、持続可能で収益性のある自転車店のモデルづくりに取り組みながら、次世代の担い手育成にも挑戦しています。
これからも、自転車を通じて生まれる小さな挑戦や笑顔が、地域の未来や持続可能な社会につながっていく——。「サイクランド ヤマネ」の挑戦は、これからも続いていきます。
サイクランド ヤマネ(有限会社 山根商会)
公式ホームページ:https://cyclandyamane-smilering.com/