家庭料理 自然堂

“食”から“つながり”へ ー 家庭料理 自然堂が挑む、地域を変える小さな革命

サービス業

人と人がつながる「場」へ

 香川県高松市にある「家庭料理 自然堂(以下「自然堂)」は、自家製野菜を使ったランチを提供する飲食店でありながら、人が出会い、語り合い、つながることができる“地域の交流拠点”のような存在でもあります。
 開業からおよそ1年。自然堂では今、イベントの開催や夜の営業、多目的なスペースとしての活用など、新たな取り組みを本格的に始めようとしています。
 地域とともに歩みながら、少しずつ「人が集まる場所」へと進化を続けています。

多彩なイベント構想と地域ニーズへの対応

 香川県内ではまだ開催が少ない異業種交流会に積極的に取り組んでおり、分野や世代を超えた交流が生まれる場づくりを目指しています。参加者同士のちょっとした会話や偶然の出会いから、新たな学びやコラボレーションが生まれることも。地域に根ざしながらも、新しい風が吹き込むようなイベントを通じて、人と人とのつながりを広げていきたいと考えています。
 そのほかにも、地域で活躍する音楽家とのコラボレーションによるミニライブや、ハンドメイド作家によるワークショップなど、地元のクリエイターたちと連携したイベントも進行中です。曜日ごとにテーマを設けることで、訪れるたびに違った表情を見せる空間となり、地域の人々が気軽に立ち寄れる“開かれた場”としての進化を目指しています。

「地域に必要とされる場所に」―オーナーの原点とこれから

 自然堂の原点には、オーナー自身の人生の転機があります。かつては全く別の業界で働いていたものの、地元に戻ったことをきっかけに畑を始め、そこから「人が集える場所を作りたい」という思いが芽生えました。
 飲食業は未経験。ゼロからのスタートでしたが、「やるなら、自分の好きなことと、地域のためになることを組み合わせたい」と、自然堂を立ち上げました。試行錯誤を重ねる中で見えてきたのは、“人と人がつながる場”の価値だったといいます。

「来てくれた人にとって、何か小さな変化が生まれる場所にしたい」

 ランチをきっかけに誰かと話すことができた。イベントで新しい出会いがあった。そんな“小さな化学反応”が積み重なることで、地域が少しずつ明るく、元気になっていく。自然堂は、そんな連鎖を生み出す拠点でありたいと願っています。

新しい挑戦の先に見据える未来

 自然堂の挑戦は、まだ始まったばかりです。しかしその一歩一歩には、オーナーの確かな想いと、地域に根ざしたまなざしが込められています。派手さはなくても、訪れた人との対話や、小さなつながりを丁寧に積み重ねながら、着実に歩みを進めています。

 自然堂が目指しているのは、ただ食事を楽しむ場所ではなく、人と人とが自然に出会い、語り合い、関係を育めるような“集いの場”。ここに来れば誰かと出会える、そんな場所として、地域の暮らしにそっと寄り添っていくことを目指しています。

 「最近ちょっと人と話したい」「新しいつながりがほしい」――そんな風に感じたときは、どうか気軽に自然堂の扉を開けてみてください。手間ひまかけたやさしい料理とあたたかな空気、そしてあなたを迎えてくれる人たちが、きっと待っています。

 これからも自然堂は、地域に根差した“つながりの場”として、静かに、そして力強く歩み続けていきます。